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EDとは

EDの定義とは?

EDとは、英語の「Erectile Dysfunction」の略であり、「勃起機能の低下」のことです。よく「勃起障害」「勃起不全」と訳されますがまったく勃起が起こらないケースだけではありません。硬さや維持が不十分であることも含め、専門的には、「性交時に十分な勃起やその維持ができずに、満足な性交が行えない状態」と定義されています。 俗に言う「中折れ(性行為の途中で萎えてしまう)」がEDで最も多い症状です

自分の意思に反して勃起するのに時間がかかってしまったり、同じパートナーでは勃起しないといったすともEDに含まれます。つまり、自分の意思とは裏腹に機能が追い付かず、満足な勃起が得られないことがEDです。

日本では成人男性の4人に1人が中等度度以上のED症状、もしくは重度EDです。ブラジル、イタリア、マレーシア、日本の調査研究によると、中等度から重度の有病率はブラジル15.5%、イタリア17.2%、マレーシア22.4%に対して日本34.5%と非常に高いことが報告されています。しかし、日本国内でのEDの認知度はまだまだ低く、『たいていの場合、性交に十分な勃起を得ることができて維持することもできる』などの軽度のEDも含めるとその推定数は成人男性の2人に1人がなんらかのED症状を抱えているとも言われています。

なぜEDになるのか?EDの原因について

勃起をするためには「性的刺激を脳で感知」→「性的興奮が神経を通じて陰茎に伝達」→「陰茎動脈の拡張によって血液が性器海綿体に流れ込む」というメカニズムが必要です。脳が性的刺激を受けると、性的興奮が脳から陰茎に伝わり、陰茎動脈血管の内皮細胞から一酸化窒素が分泌されます。これが陰茎海綿体の平滑筋の中で、cGMPという神経伝達に関わる物質を産生し、血管平滑筋を弛緩させ、大量の血液が海綿体内に流入して、勃起が生じます。
これらメカニズムのうちどこかでうまく働かないと、「十分な勃起が起こらない」「十分な硬さが出ない」「持続しない(中折れ)」などの症状が起こります。神経や血管の損傷が重度の場合には、完全に勃起をしないということもあります。

人によって様々な原因が考えられますが、大きく分けると以下の3つに分類されます。

 

 1 心理的なストレスがある場合(心因性ED)

EDは高齢者に多いイメージがあると思いますが、20代、30代でも中折れなどの症状に悩んでいる方が多いです。そんな方に多いのが、「心因性ED」です。原因としては日常のストレスや経験によるトラウマ、うつ病など精神疾患による不安などが原因として考えられています。仕事が忙しい、過去に性行為が上手くいかずに女性の態度がトラウマとなっている場合などです。このようなストレスがあると、性的な興奮が神経を通してスムーズに陰茎に伝わりにくくなり、EDを引き起こします。

性行為自体の経験が浅い10代後半~20台前半の若い男性が緊張からなる場合や、仕事で忙しくまた子作り世代でもある30代~40代の男性に多いパターンです。

また、うつ病によるEDも最近増加しています。

 

 

2 動脈や神経に障害がある場合(器質性ED)

高齢者のEDに多いものが、「器質性ED」です。器質性EDとは、陰茎に関わる神経や血管などに異常がある場合です。血管自体に動脈が固くなってしまう(動脈硬化)などの血管障害があると陰茎海綿体の動脈が拡がらないため、十分な量の血液が流れ込まず、勃起が起こらない、あるいは満足な勃起が得られないという状態になります。糖尿病、高血圧、脂質異常症などの生活習慣病にかかると、EDになるリスクが高くなるのはこのためです。

 

3 混合性

ほとんどの患者さんで病因が混合していることが多いと言われています。心因性が主なもの、器質性が主なものと分類することが勧められています。

EDのリスクファクター

EDのリスクファクターとして12の因子があります。

1加齢

日本におけるED有病率(全国推計)では加齢に伴い有病率は増加しています。マサチューセッツ男性加齢研究でも年齢が重大なリスクファクターであることを示しています。

2糖尿病

日本人のデータで糖尿病患者の35-90%にEDが発症しており、EDの発症時期も糖尿病患者は糖尿病でない人と比較して10-15年早いと報告されています。糖尿病患者では血糖コントロール不良、年齢、糖尿病理病歴、末梢神経障害、肥満がEDの発症に関係しています。

3肥満と運動不足

肥満の人は肥満でない人より1.7倍EDを発症しやすく、また運動強度の増加に伴ってED発症リスクは低下すると報告されています。

4高血圧、心臓の病気

高血圧のある人は高血圧のない人と比較してEDの頻度が高く、重症化しやすいと報告されています。理由としては血圧の維持と勃起機能の維持に必要な神経、血行動態、生理活性物質などのバランスが崩れて高血圧と同時にEDも発症すると考えれています。また高血圧のお薬がEDと関係していることも多々あります。心臓の病気、特に狭心症や心筋梗塞のある方はEDを発症しやすいと報告されています。

5喫煙

海外で多くの研究がなされており、喫煙者は非喫煙者と比較してED発症率が高いと報告されています。理由としては陰茎への血流障害、交感神経刺激などが挙げられています。

6テストステロン低下

テストステロンとEDの関連には定まった見解はまだありません。しかし、性腺機能低下症の患者ではテストステロンの補充療法によってEDが改善すると報告されています。

7慢性腎臓病と下部尿路症状

慢性腎臓病患者では70%の割合でEDを発症していると報告されており、さらに60歳代では93.1%にもなります。これは血流障害、神経障害、テストステロンなどホルモン異常、腎臓病による貧血、多剤内服など多くの要因があると考えられています。また下部尿路症状のある人もED発症率は高いと報告されています。

8神経疾患

勃起現象は神経によって制御されていることから、中枢神経、末梢神経が障害される疾患ではEDが起こります。

多発性硬化症50-75%、脳卒中48.3%、てんかん42.5%、パーキンソン病68.4%にEDが発症すると報告されています。多系統萎縮症では96%にEDが発症し、そのうちEDが最初の症状であった患者は37%でした。EDが神経疾患発症のサインとなることもあります。

9外傷および手術

脊髄損傷、前立腺癌の手術後、膀胱癌の手術後、大腸癌の手術後の方はED発症率が高いと報告されています。

10心理的および精神疾患的要素

国内外でうつ病とEDの発症による関連が報告されており、日本ではうつ症状があると2.02倍EDを発症しやいと報告されています。うつ症状と心血管疾患とEDの3つが同時に発症しやすいため、EDが疑われればうつ病と心血管疾患が発症している可能性を考える必要があります。

11薬剤

高血圧、うつ病のお薬は性機能に影響を及ぼす可能性が報告されています。これは高血圧やうつ病の疾患そのものが原因、内服薬が原因、疾患と内服薬の両方が原因のいずれかはまだはっきり結論が出ていません。

12睡眠時無呼吸症候群

睡眠時無呼吸があると1.82倍EDを発症しやすく、また睡眠時無呼吸の治療(CPAP療法)でEDも改善したと報告されています。これは睡眠障害により、REM睡眠が障害され、夜間勃起現象の障害が起こり、海綿体の酸素化が障害されることが原因などと言われています。

 

<参考文献>

ED診療ガイドライン

編集 日本性機能学会/日本泌尿器科学会

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