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男性ホルモン低下によるEDの治療

[2020.02.10]

男性ホルモン(テストステロン)の低下によっておこる現象とは何でしょうか。現在では男性更年期障害(LOH症候群)という疾患概念として説明されることが多いです。いわゆる男性更年期障害とは加齢に伴う男性ホルモンの減少に関連して、うつ傾向になる、体がだるい、筋力低下、骨がもろくなる、勃起しない、性欲の低下などの症状があらわれるようになった状態のことをいいます。発症時期にばらつきがありますが、大体40歳以降に発症することが多く、実態はテストステロンの低値により、生殖能力の低下のみならず、精神症状を含めた全身的な症状が生じます。メタボリック症候群を発現しやすく、実際、糖尿病患者さんに多いのも特徴的です。

ではLOH症候群はどのように診断されるのでしょうか。実は世界的に確立された診断基準はないのです。症状、テストステロン値、評価スコア、他疾患(うつ病や甲状腺機能低下症など)の除外により総合的に診断されます。以下の評価スコアが目安の基準になりますので一度評価してみてください。

<5点非常に重い、4点重い、3点中程度、2点軽い、1点なし>で以下の項目でスコア化。

・総合的に調子が思わしくない

・関節や筋肉の痛み

・ひどい発汗

・睡眠の悩み

・よく眠くなり、しばしば疲れを感じる

・いらいらする

・神経質になった

・不安感

・からだの疲労や行動力の減退

・筋力の低下

・ゆううつな気分

・絶頂期は過ぎたと感じる

・力尽きた、どん底にいると感じる

・髭の伸びが遅くなった。

・性的能力の衰え

・朝立ちの回数減少

・性欲の低下

 

いかがでしょうか。

26点以下で症状なし、27-36点で軽度、37-49点で中等度、50点以上で重度です。

点数が高いようであれば男性更年期障害の可能性があります。

では治療はというとアンドロゲン補充療法があります。実際にLOH症状を有し、遊離テストステロン低値の40歳以上の男性で適応です。アンドロゲン補充療法によって勃起機能と性欲は有意な改善を認めたとの報告があります。

さらにアンドロゲン補充療法によってED治療薬の有効性を高める可能性が指摘されています。

またホルモン補充療法以外では生活習慣の改善がLOH症候群の治療につながります。LOH症候群は、日常生活の中でのやりがいのなさが根本的な問題でもありますので、日常生活の中でやりがい、充実感を感じられるように生活習慣の工夫をすることが大切です。では何をすればよいかということですが、ボランティア活動がLOH症候群に有効との報告があるようです。ボランティアをして他者に何かを与える活動を行い、相手から感謝されることで自信と存在意義を取り戻すことができるようです。

加齢による変化とは一概に説明がつかないことが多いです。どうしても20台のころと比べると基礎代謝も落ち、脂肪がつきやすくメタボ体系になりやすくなるし、肌も乾燥しやすく、疲れやすくなりますよね。さらに状況にもよると思いますが、仕事や人間関係でのストレス、子供の養育費、生活費などの家庭でのストレスは若い頃より多いと思います。徐々に生活習慣病も発症しやすくなり、周りは「生活習慣を整えましょう」と一言で済ましますが、現実はなかなか難しいものです。ボランティアも今までしたことがなければ、第一歩を踏み出すのに勇気がいります。更年期障害は女性のものと思っている方が多いと思いますが、実は男性でも起こりうるものということを理解するのも大切なことではないかと思います。

 

 

 

大阪梅田ライオンズEDクリニック 院長

 

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