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男性不妊

[2020.02.14]

不妊治療について現在は技術が進んでおり、様々な治療が受けることができます。ひと昔前は不妊は女性側の問題と捉えられていたようですが、現在では男性側に原因がある場合、いわゆる男性不妊が多いことが注目されています。
WHO基準では結婚後通常の性行為ができるにも関わらず、1年間以上妊娠が成立しない場合は不妊症と呼びます。またWHOは男性にのみ不妊原因があるカップルが24%、女性にのみ不妊原因があるカップルが41%、男女ともに原因があるカップルが24%、原因不明が11%と報告しています。すなわち、不妊カップルの約半数が男性側に原因があるのです。

原因


原因は以下が挙げられます。
・造精機能障害;男性不妊の80%以上は造精能機能障害によるものです。精子をうまく作ることができない状態です。原因としては特発性造精能機能障害が最も多く、精巣静脈瘤、クラインフェルター症候群、耳下腺炎性精巣炎、視床下部下垂体障害などがあります。無精子病(最も重症で精液中に精子が1匹もいない状況)、乏精子症(精液の中に精子はいるけれどその数が少ない状態)、などがあります。
・精路通過障害;閉塞性無精子症、先天性精管欠損症、精管切断述後などがあり、精巣上体炎、前立腺炎、尿道炎などの炎症疾患などが挙げられます。
・精子機能障害;精子の運動能力が低下したもので運動率の低下、奇形精子の増加、直進運動性の低下、運動速度の低下などがあります。原因はよくわかっていませんが性行為感染症などが関与していると言われています。
・性機能障害;勃起障害(ED)、性交障害、射精障害などがあります。
また日本の婚姻カップルの45%はセックスレスという報告もあり、今後、性機能障害に対する治療は男性不妊症に関しても非常に重要となることが予測されます。
診断をつけるためには問診、診察、精液検査が最も大切であり、原因検索のためにホルモン検査や精巣の生検などを行うこともあります。

治療


治療はそれぞれ原因によって異なりますが、ホルモン剤投与などの薬物療法、手術による外科的治療があります。
さらに顕微授精は男性不妊にとって非常に優れた技術です。無精子病の患者さんも睾丸を手術で切って、精子を1匹でも取ることができれば授精することが可能となります。
また精子の状態をよくするためには様々なことが推奨されています。

予防法


・禁煙;喫煙が性機能に及ぼす影響は、これまでに多くの報告があります。喫煙することにより勃起不全(ED)の原因となり、精子形成に影響を及ぼし、精子の運動率を低下させ、これが男性不妊の原因につながります。また授精に成功しても流産の原因となったりします。
・禁欲しすぎない;精子は常に生産されている状態であり、射精を多くすることによって精子の量が減少するわけではありません。むしろ禁欲期間が長すぎると精子の運動率が低下し、精子のDNA損傷率も高くなるという報告もあります。精子は約3日間の生存期間で、生存期間を過ぎると非運動性精子が増えます。精子の質をよくするためには非射精期間(禁欲期間)は1-2日くらいがよいと報告されています。
ほかには長風呂をしない、ブリーフよりトランクスをはく、生活習慣是正など。。

 

 

大阪梅田ライオンズEDクリニック院長

 

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