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検査結果でとても重要なこと

[2020.06.04]

検診などの検査結果をみて、一喜一憂する方も多いと思います。検診結果のような血液検査ではHやLで異常値が示されますが、正常値から外れたからといってそれが全て病気を表すものではありません。
検査項目で大切なのは感度と特異度です。
ここで使われる感度とは性的な感覚のものさしではありません。
感度とは問題 (疾患) のあるものを見逃さない割合です。検出できた (陽性の) 対象の数を、疾患ありの総数 (真陽性 + 偽陰性) で割ります。感度が高ければ高いほど優れた検査と言えます。
特異度とは問題 (疾患) のないものをむやみやたらと疑わない、ということを表す指標です。ちゃんと陰性と判定できた数を、疾患のないものの数で割ります。

救急診療で一刻も争う状況で、この感度、特異度の高い検査はとても有用なのです。例えば胸から背中への痛みがある患者さんではまず見逃してはならないのは大動脈解離という、
非常に怖い病気です。この病気の検査ではDダイマーという血液検査の項目が非常に有用で、感度が高い(88-100%)検査です。要するにDダイマーが正常値であれば88-100%の確率で大動脈乖離は考えにくいと言うことです。完全に否定はできませんが、積極的に疑わずに済み、除外診断に有用なのです。Aという疾患に対して感度100%の検査があれば、検査をして正常値であればAという疾患は100%否定できるということです。
このように医療現場では常に検査に対する感度、特異度を考えて、必要最低限の検査を行なっています。

特に今回の新型コロナウイルス感染症で問題なのはPCR検査の感度についてです。新型コロナのPCR検査の感度は70%なので、本当に新型コロナに感染している100人にPCR検査をすると30人は陰性と出てしまう、つまり、見落としてしまうということ。見落とされた人は街中を歩き回ります。今後、色々な対策がとられていると思いますが、緊急事態宣言が解除された中、今まで以上に自身でできる感染対策をすることが大切です。

 

 

大阪梅田ライオンズEDクリニック 院長

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